ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

ページ
10/48

このページは 週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

間金融機関への影響を抑えるため、マイナス金利が適用される預金残高が限られているので、効果も限定される。 さらに、量的緩和と齟齬が生じる恐れもある。日銀は大量の国債を民間金融機関から買い入れているが、金融機関にしてみれば、国債を日銀に売って当座預金にマイナス金利で積むインセンティブはどこにもない。その結果、日銀の国債買い入れが困難になる可能性もある。 日銀は、マイナス金利分だけ国債の買い入れ価格が上昇するので、今後も国債の買い入れは可能だとしている。しかしこれは大きな危険をはらんでいる。将来、金利が正常化(利上げ)したとき、国債の価格は下落する。高値で買い入れを続ければ、日銀の損失はその分拡大する。 実効性に乏しく、現在の量的緩和との齟齬も生じかねないマイナス金利政策を、日銀はなぜ導入したのか。数日で?落した追加緩和の効果懸念される副作用「日銀の狙いは円安誘導に尽きる」と加藤出・東短リサーチ社長は言い切る。 マイナス金利の導入で金利に下押し圧力が加わり、利上げを開始した米国との金利差が拡大することで、円売りドル買いの流れとなり円安に向かいやすくなるというわけだ。事実、14年には欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利導入によって、ユーロ安の誘導に成功している。 今回のサプライズ緩和で年初来下落傾向にあった株価は反転し、ドル円レートは円安に転じた、かに見えた。しかし、サプライズ効果は長続きしなかった。本稿執筆時点(2月3日)で、日経平均は1万7191円、ドル円レートは117円台と、緩和前の水準近くまで戻ってしまっている。中国経済の減速懸念や原油安などに端を発する世界的なリスクオフの流れは、しょせん日銀だけで変えられるようなものではなかったのである。 黒田総裁は2月3日に都内で行った講演で、「マイナス金利付き量的・質的緩和は、これまでの中央銀行の歴史の中で、おそらく最も強力な枠組みだ」と強調し、必要があれば今後もちゅうちょなく追加緩和を行うと述べた。 市場では早くも4月の追加緩和観測が浮上している。今年の春闘では世界景気の減速懸念もあって、賃上げがあまり進まないとみられているからだ。加えて、リスクオフの流れが止まらず、さらなる円高が進行する可能性もある。 追加緩和の選択肢としては、量的・質的緩和が限界にきている中でマイナス金利のさらなる引き下げが有力だが、これは実効性に乏しいばかりか、大きな副作用をもたらす懸念がある。 マイナス金利は銀行や生命保険会社の収益を圧迫する。企業の設備投資意欲が乏しい中、マイナス金利分を貸出金利には転嫁できない。長期国債の利回り低下で生保の運用環境は厳しくなる一方だ。マイナス金利が公表されて以降、銀行・生保株は下落を続けている。 次ページからは、マイナス金利の副作用について詳しく分析する。日本銀行の金融緩和政策の推移量的・質的緩和にマイナス金利が加わった〈量的〉●マネタリーベースを2年で2倍に拡大(年間60兆~70兆円のペースで増加)●長期国債買い入れの拡大と年限長期化(保有残高を年間50兆円のペースで増加、平均残存期間を3年から7年程度に延長)〈質的〉●上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ拡大(ETFは年間1兆円、J-REITは年間300億円増加)〈量的〉●マネタリーベース増加額を年間80兆円のペースで拡大(年間10兆~20兆円上乗せ)●長期国債の保有残高を年間80兆円のペースで増加(30兆円拡大)、平均残存期間を7~10年に最大3年延長〈質的〉●ETFは年間3兆円、J-REITは年間900億円のペースで保有残高が増加するよう買い入れを拡大〈金利〉●マイナス金利導入。民間銀行が日本銀行に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用量的・質的緩和は継続*15年12月に長期国債の平均残存期間を7~12年に最大2年延長、ETFの買い入れ枠を新たに3000億円設定量的・質的緩和導入追加緩和追加緩和2013年4月2014年10月2016年1月週刊ダイヤモンド 2016/02/13 10タ緊イ急ト特ルタ集イマトイルナス金利導入!