ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

透視眼鏡金利Interestrate週刊ダイヤモンド 2016/02/13 22 月29日の政策決定会合において、日本銀行はマイナス金利の導入を決定した。黒田東彦総裁は「量的拡大が限界に達したということでは全くない」と強調し、今後、「必要な場合は躊躇なく量、質、金利の三つの次元で追加的な金融緩和措置を講じる」としている。 量的緩和が限界となり、金利政策に移行したのだと受け止められれば、長期金利には上昇リスクもあった。しかし、今後の量的拡大の可能性が否定されず、昨年12月には量的・質的金融緩和の円滑な遂行のための措置も発表している。長期・超長期の国債利回りは日銀の発表を受けて急低下し、10年債利回りは0・1%を、20年債利回りは0・8%を割り込んだ。 マイナス利回りの債券を積極的に買う投資家がいないことを考えれば、既に0・1%を下回った10年債利回りの低下余地には限りがあろう。問題は20年債利回りだ。日銀の政策が長期・超長期の金利の低下要因となると分かってはいても、デュレーションリスクを考えれば0・8%を下回るような利回りで積極的に購入し運用することもためらわれる。当面は10年債利回りにあまり大きな変動がない一方で、20年債利回りが大きく変動するような場面も見られそうだ。 ただ、長い目で見れば、結局20年債のような期間の長い債券に投資資金が戻ってくる可能性が高い。 日本の長期金利の急低下は国内投資家の外債投資活発化を促しやすいが、日銀の追加緩和を受けて即座にドル/円ベーシススワップはマイナス幅を急拡大させた。ドル調達コストが急上昇したのだ。 マイナス金利が円キャリートレード活発化を想起させ、同様に本邦投資家の外債運用拡大を想像させた結果といえるが、ドル調達コストがさらに上昇すれば米国債運用から得られる利ざやも限られたものとなってしまう。 また、日銀の追加緩和は為替レートの減価を狙ったものとの見解が支配的だが、日銀や欧州中央銀行(ECB)が通貨安を志向すれば、それは人民元の実効レートを押し上げ、人民元のさらなる切り下げを促しかねない。人民元切り下げは中国の購買力低下を介して原油価格の押し下げ要因になったり、米国へのデフレの輸出を促したりし、結局、それらは米国の長期金利をさらに押し下げる。 つまり、日銀の追加緩和は巡り巡って米国の長期金利を押し下げるわけであり、ドル調達コスト上昇も考えれば、早晩米国債投資の魅力は低減しよう。 その結果、余剰資金は再び日本国債に向かわざるを得ず、一定の利回りが残存する超長期国債への投資が増えてくるものと予想される。日本の20年債利回りにはまだ低下余地があるとみてよさそうだ。日銀の追加緩和で余剰資金は巡り巡って超長期債に向かう市場1SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト野地 慎日本の10年債、20年債の利回りドル/円1年ベーシススワップマイナス金利導入で利回り急低下国債利回りとドル/円ベーシススワップ*Bloombergの資料を基にSMBC日興証券作成*Bloombergの資料を基にSMBC日興証券作成▲80▲70▲60▲50▲40▲30 (bp)1610 11 12 12015年9月0.00.20.40.60.81.01.21.4 (%)162 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 11511 12 12014年10月20年債利回り10年債利回り