ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

週刊ダイヤモンド 2016/02/13 24 014年4月の消費税率引き上げに伴う税収増を除いても、10?14年度の国の税収は当初見積もりよりも上振れている。このため、16年1月21日の経済財政諮問会議で安倍晋三首相は、税収の上振れ分のうちどの程度の税収が安定的に増えたのかを判断し、今年6月にまとめる予定の「経済財政運営の基本方針」にその活用策(例:1億総活躍社会の関連施策等に活用)を盛り込むように指示を行った。 ただ、次の三つの理由から、このような措置は財政再建との関係で少々リスクが高い。 第1は、税収は上振れることもあるが、下振れることも多い。例えば、国の一般会計(当初予算)の税収見積もりに対し、決算の税収額が下振れたのは、1981年度から14年度の34回の政府予算のうち約半数の15回もある。3兆円程度の下振れで済むときもあるが、約9兆円も下振れるときもある。 第2は、財政再建の目標達成が遠のく可能性が高いためである。内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」の改訂版では、17年4月の消費増税を着実に実施し、15年度から20年度のGDP成長率の平均を高めの値(実質1・7%、名目3・2%)に設定しても、20年度の国と地方の基礎的財政収支(PB)は6・5兆円の赤字となり、政府目標の黒字化は達成できない。税収の上振れがあれば、支出の拡大に利用せず、PB赤字の縮減に活用すべきである。 第3は、景気循環である。内閣府は、「景気動向指数研究会」の議論を踏まえて景気循環の判定をしている。この資料によると、現在の景気回復は12年11月から始まっており、過去の景気拡張期の平均は約3年(36・2カ月)となっている。そうだとすれば、すでに3年が経過した現在、拡張期はいつ終わってもおかしくない。 以上の理由から、政府・与党が20年度のPB黒字化という財政再建目標を本当に達成するつもりならば、税収上振れ分は支出拡大に使わず、財政赤字の縮減に活用するのが最も適切だといえるはずである。将来世代や若い世代の利益も視野に、政府・与党の慎重な判断を期待したい。Data忍び寄る景気後退リスク税収上振れ分は支出増より財政赤字縮減に充てるべき数語字るは法政大学教授小黒一正内閣府「景気動向指数研究会」2015年7月24日発表資料景気の拡張期の平均期間36.2カ月2