ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

Special Featureいというのが実態です。「イスラム国」の問題にしても同様で、誰かが「イスラム国」の戦闘員を皆殺しにすべく、じゅうたん爆撃に踏み切ったとしても、彼らは黙って殺されないでしょう。 逃げて行く先は、中央アジアの山岳地帯です。すでにその動きはありますし、アフガニスタンの北東にあるタジキスタンやキルギス、中国の新疆ウイグル自治区は山岳地帯でつながっています。これらの他国からサイバー攻撃を受けても、「国内では使っている人がいないので影響が出ない」という〝鉄壁の防御?になっています(笑)。││一般のビジネスパーソンは、どのようにして地政学的な見方を身に付ければよいのですか。 それは、なかなか難しいと思います。でも、誰か詳しい人の見方に〝乗っかる?ことで、その人の目を通して地政学的な見方を学び、接しているという地政学的な要因によって、どちらかの国と接近したら、もう一方の国と距離を置くという行動を繰り返し、両大国の間でバランスを取っています。 北朝鮮は二つの大国に振り回される宿命にありますが、世界最強のサイバー国家という顔を持っています。国内のインフラは基本的にアナログばかりで、ネット環境が整備されていません。その結果、地域で、「第2イスラム国」が生まれる可能性もあります。 テロリストが分散して活動する時代になっても、マッキンダーの地政学は有効なのです。むしろ、その重要性は増しています。││古典地政学の文脈では、中国はランドパワー国家になりますが、近年の中国はシーパワー国家にもなろうとしています。 しかし、近年激しさを増す海洋進出にしても、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の動きにしても、〝場当たり的?です。 地政学的に言えば、あの国が本当に考えなければならないのは、他国と国境を接する内陸の西部なのですが、山岳地帯も、民族問題も、ほとんど無視しています。 現時点では、中国の派手な動きばかりが目立ちますが、地政学的にはまだ重要なプレーヤーになっていません。ですから、過度に中国を恐れる必要はありません。ただし、経済成長と人口増加がありますので、日本も含めた周辺国は影響を受けることになります。││大国に付随する〝半島国家?は、どう考えますか。 半島国家というものは、周辺のランドパワー国家の影響から免れることは不可能なのです。例えば、北朝鮮は、中国とロシアと国境を やはり、この2冊が挙がった。 1冊目は、英国人の地理学者で、実質的な〝現代地政学の開祖?H・J・マッキンダー(1861~1947年)が、1919年に出版した『デモクラシーの理想と現実』だ。地球全体を一つの閉鎖された空間と捉え、「人類の歴史はランドパワーとシーパワーの闘争の歴史である」と説くなど、地政学という言葉はないが、地政学的な考え方が詰まっている。 2冊目は、米海軍の士官で、研究者としても名をはせたアルフレッド・T・マハン(1840~1947年)の『海上権力史論』である。シーパワー国家である米国は、今もマハンの理論を軸に考える。また、ランドパワー国家でありながら、シーパワー国家にもなろうという中国もマハンの理論を研究する。 日本人ビジネスパーソンは、両国の内在的論理を知るためにも、読破しておきたい。『マハン 海上権力史論』アルフレッド・T・マハン 著(原書房/3200円+税)『マッキンダーの地政学─デモクラシーの理想と現実』H・J・マッキンダー 著(原書房/3200円+税)現代地政学の〝古典中の古典?マッキンダーとマハンは必読佐藤優も強く推す週刊ダイヤモンド 2016/02/13 32シリア問題などで迷走が続いたオバマ大統領の米国は内向き思考が感じられる一方で、大国として自信を強めている習近平国家主席の中国は外向き思考が際立つREUTERS/アフロ