ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

特集地政学◯超入門実績があり、砕氷船を建造する独自の技術も持っています。韓国は、まだそこまで達していません。 北極海航路の実用化で、地政学と切り離せない〝物流?が劇的に変わります。ロシアは、陸揚げ港のあるウラジオストクまで物を運ぼうとすれば、近くの間宮海峡は狭くて波が荒いため、宗谷海峡や津軽海峡を通らざるを得ない。 これは日本に地政学上の優位性があります。ロシアは、日本との良好な関係を維持したいし、継続的にメリットがあるとなれば、話に乗ってきます。北方領土問題が解決する可能性があるのです。││佐藤さんは、ロシアの北方にある北極圏を通る〝北極海航路?(北方航路)の可能性に着目しているそうですが、なぜですか。 地政学的に考えると、仮に中東にあるホルムズ海峡やスエズ運河が封鎖された場合、アフリカの喜望峰を回る航路に即時の転換ができるか? ということです。 ロシアには永久凍土地帯があります。また、北極圏は冬の期間は通行できませんでした。ところが、地球温暖化の影響によって北極の氷が解けだしたことで、航海可能な期間がぐんと延びたのです。 日本は、60年前から南極観測の〝北極海航路?で北方領土問題が一気に解決する?││世界で最も地政学の教育に力を入れているのはロシアで、プーチン大統領も「地政学的に考えれば」という表現をよく使います。 ロシアの高等教育機関においては、地政学が必修科目です。 そもそもロシア人は、こう考えています。「われわれは、欧州大陸とアジアの間を結ぶ〝ユーラシア?という独特の地域に根差している。従って、そこには独自の発展の法則がある。ユーラシアにはロシアのおきてが適用されるべきである」。 例えば、ウクライナ問題にしても、ロシアは欧州と直接的に国境を接することがないバッファー(緩衝地帯)にとどめておきたい。ロシア人の感覚では、「潜在敵国と国境を接する」イコール「戦争」ですから。 ウクライナ全域はフィンランドのような緩衝地帯と位置付ける一方で、軍事産業などが集まる東部のドネツク州やルガンスク州だけは東西冷戦時代の東欧(旧衛星国)のようにロシアの影響力を残す〝二重構造?にしたいのです。自分でも考えるようにします。 例えば、地政学関連の著書・訳書が多い奥山真司さんがいます。また、中東の分析が鋭い人といえば、山内昌之さんが挙げられます。さらに、全体的な目配りが利いているという意味では、池上彰さんもよいでしょう。 そういえば、『もういちど読む山川地理』(山川出版社)は、大人の学び直し本のような外見をしていますが、学習指導要領に縛られておらず、地政学的な見方がかなり入っています。マッキンダーの本と並行して読むとよいですね。33 週刊ダイヤモンド 2016/02/13朝日新聞社/gettyimages 北極海航路の整備が進めば、欧州と日本の距離が約2分の1、航海期間が約3分の2に縮められる利点から、注目が集まる砕氷船の建造ではジャパンマリンユナイテッド(旧日本鋼管)が独自の技術を保有するウクライナの東部や南部には、旧ソ連時代からの軍事産業の集積地がある。仮に、同国がEU、その先にあるNATOに加盟した場合、兵器の情報が米国に流出するREUTERS/アフロ北極海航路