ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

特集 地政学◯超入門 リーマンショック後の需要急減で下落に転じるが、その後の新興国需要増大で再び上昇する。10年から11年にかけての民主化運動、アラブの春でリビアのカダフィ政権が倒れ原油生産が急減し、原油価格は再び同100㌦を上回る。 その後も、過激派組織「イスラム国」(IS)の版図拡大など地政学リスク要因はめじろ押し。しかし、直接原油生産減少に結び付くには石油輸出国機構(OPEC)が、価格決定権を奪っていた。10 月の開戦から翌年にかけ、OPECは原油価格を約4倍に引き上げた。これが第1次石油ショック。そして、79年の革命時のイランの原油生産中断などを背景に、OPECが原油価格を引き上げたのが第2次石油ショックだ。 その後は、産油国の増産が進み原油の需給が緩和、90年代後半まで原油価格は下落基調に転じる。ただ、地政学リスクに無反応だったわけではない。91年の湾岸戦争時に価格は上昇している。 下落基調を食い止めるため、99年3月にOPECは協調減産で合意した。2000年代に入ると、中国を中心とした新興国の需要が拡大し始める。そこに起こったのがイラク戦争。イラクの原油生産が不安定化し、原油価格上昇が加速する。08年のリーマンショック前には一時、1バレル当たり140㌦を超えた。要因ではなかったことに加え、14年後半以降、新興国経済減速、シェールオイル増産など需給緩和要因が勝ったため、原油価格は大幅に下落した。 ただ、地政学リスクに左右されなくなったとみるのは早計だ。紛争激化や原油価格低迷による中東の産油国の政情不安が原油生産に影響し、反騰に向かうマグマはくすぶっている。 970年代以降の原油価格上昇の契機の多くは中東での紛争勃発だった。イスラエルとアラブ諸国が戦火を交えた中東戦争。67年の第3次までは、原油価格の決定権を石油メジャーが握っていたため、紛争が原油価格動向に直結しなかった。しかし、73年の第4次中東戦争時43 週刊ダイヤモンド 2016/02/13原油上昇の契機は中東の紛争暴落中にもたまる反騰マグマ産油国が集まる中東では、第2次世界大戦後幾度となく紛争が繰り返された。需給が逼迫する中で起これば、原油価格は大幅に上昇した。果たして歴史は繰り返されるのか。トルコロシアウクライナルーマニアブルガリアカザフスタンイラクレバノンキプロスギリシャイスラエルシリアヨルダンサウジアラビアクウェートエジプトチャド スーダンリビアエリトリアエチオピアイエメンオマーンアラブ首長国連邦イラン頻発してきた紛争、内戦、政変1970年代以降の中東の地政学リスク2014年IS版図拡大1979年イラン革命で第2次石油ショック1973年イスラエルとアラブ諸国間の第4次中東戦争で第1次石油ショック2015年イエメン内戦2011年~シリア内戦1980~88年イラン・イラク戦争2016年サウジとイランが断交1990年イラクのクウェート侵攻、91年湾岸戦争2003年イラク戦争、フセイン政権打倒2010~11年アラブの春P043_図_原油価格グラフ.ai02_13_1特)地政学超入門須藤オーバープリント未処理カラーE020406080100120●15●10●05●2000●95●90●85●80●75●1970年原油価格の推移*2016年は1月28日の終値、それ以外は年平均 出所:マーケットリスクアドバイザリー(ドル/バレル)2000年以降急騰、足元は暴落1