ブックタイトル週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

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週刊ダイヤモンド16年2月13日号_試し読み

特集 地政学◯超入門せるような発言をしてしまっていたかもしれません。││教養はどのように身に付ければいいのでしょうか。 まずは、世界史から始めるのがよいと思います。世界の歴史の大まかな流れをざっと頭に入れておく。その次に宗教。そしてその後に地政学です。地政学とは国と国との関係性を研究する学問なので、各国の歴史や宗教を知っておけばより理解が深まるでしょう。 私は、何事もまずは全体をつかまないと物事の本質は理解できないと思っています。例えば日本史でも、なぜ戦国時代にイエズス会が日本に来たのかは、その背景にルターの宗教改革があったことを知らなければ分かりません。 キリスト教の神父や牧師は、信者からの寄付で生計を立てていますが、カトリックの神父は宗教改革により信者を失い、飯が食えなくなったので、食いぶちを求めて日本に来たのです。 しかし、日本史の勉強だけでは、「1549年にザビエルがキリスト教を伝えた」という事実だけで背景が分からず、すぐに忘れてしまいます。日本史を学ぶ際も、まずは世界史を勉強してその上で日本史に移った方が理解しやすいと思います。││出口会長は〝本の虫?としても知られていますが、良い本に巡り合うこつはあるのでしょうか。 一番良い方法は新聞の書評です。新聞の書評欄は大学教授が推薦していることが多いのですが、大学教授はおのおのの専門分野の本を推薦するので責任を持って良書を選んでいます。だから一番外れがない。 朝、会社に行って新聞を開けばいいだけなのでコストも掛かりませんし、1紙で10?15冊程度の本を紹介していますから、新聞を2、3紙読めばそれだけで30冊の良書に出合えます。私は時間があれば書店に行きますが、ライフネットを始めてからは忙しいので、今はもっぱら書評で本を探しています。 書店で良書を見つけるときのこつは、本文の最初の10?20ページを立ち読みすることです。「小説は最初の1行が大切」といいますが、学術書やビジネス書も冒頭にその本の特徴が表れます。著者は読者に読んでほしいと思って書き出しに最も力を入れて書いているはずですので、冒頭部分が面白くなければ、全体も期待できないと判断できます。 最後に世界史を学ぶ上でお薦めの本を紹介させて下さい。中央公論新社の『世界の歴史』全16巻(旧版)です。中学生のころに出合い、私が世界史に興味を持つきっかけになった本です。今は絶版で簡単には手に入りませんが、興味のある方は図書館でぜひ読んでみてください。Ryosuke Shimizu47 週刊ダイヤモンド 2016/02/13●ライフネット生命保険会長兼CEO 出口治明でぐち・はるあき/京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険に入社。2008年にライフネット生命保険を開業。13年6月より現職。近著に『「全世界史」講義 Ⅰ・Ⅱ』(新潮社)。